近年、我が国も公共インフラの更新期を迎えて、各種イノベーションを急がなければならない時が来ています。
リペアと維持管理はもちろん重要ですが、対症療法には限界もあり、やがて更新しなければならないからです。
一方、国内市場はますます縮小されるため、海外で特にインフラを必要としている東南アジアへの対応・進出が必要となってきています。
高齢化社会では消費が冷え込み、需要減、雇用減、経済の停滞という、負のスパイラルが発生しやすくなり、デフレ脱却は難しく、景気も減退してくると推測されます。このような社会環境の下で、公共インフラの更新の時代を迎えることとなります。
このような状況下で、国は、100年以上の長寿命化の橋やトンネル等の公共インフラを創り出すことを国是としています。これに対処するために、新しい技術と、システムのイノベーションが必要であり、官・民・学の総力を挙げ、結集することが必要です。
このとき、従来よりも経済的で工期の短くなる、新しい材料の開発、設計手法と具体的なプロジェクトの創出が必要です。
さらに、基礎技術と総合化技術、プロジェクトのマネージメント手法も、建設工学と経営学の融合で創り出されなければなりません。
このために必要な人材も、新しい課題への挑戦で人が集まり、人が研究し、人が実践することで人材が育成できます。このことは近代建設工学・システムの先進国フランス等との歴史的な遅れ・ギャップを縮ることができます。加えて、世界一厳しい自然環境に挑戦してきた貴重な経験を生かして、東南アジアをはじめ、アフリカなどでの国際競争に勝てる裏付けと実力を育成することができます。
まさしく、他産業との生産性競争にも負けない産業を育てることに繋がることとなります。
今こそ、更新期をプロフィットして、これらの課題を克服した、競争力のある新しい産業を育む最大のチャンスなのです。